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【インタビュー】本屋を航る、本屋と渡る 第二回|チェッコリ

2022 7/09
WEB 連載・特集 本屋を航る、本屋と渡る インタビュー
本屋 韓国
2022年7月9日
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本屋を航り、本とともに人生を渡る方の話を聞いていく連載企画『本屋を航る、本屋と渡る』

第二回は、『旅の本屋 のまど』の川田さんのご紹介で、神保町にある韓国書籍専門のブックカフェ『チェッコリ』に伺った。

チェッコリは、クオンという出版社が2015年に開店した本屋だ。2007年に代表の韓国人のキム・スンボクさんによって立ち上げられたクオンは、韓国の作家の小説や詩、エッセイなどを中心に翻訳・出版している。

近年、韓国文学の人気は高まっている。フェミニズムを題材にした小説やイラストエッセイなどを書店で目にしたことがある方も多いだろう。それらだけではなく様々なジャンルの本を扱い、「韓国と本でつながる」をキーワードに、日本と韓国の橋渡し役をしているのがチェッコリだ。

韓国の本に関する事情、チェッコリとしての想いなどについて、宣伝広報を担当している佐々木静代さんに話を伺った。

『チェッコリ』店内の様子
韓国の本というと、イラストエッセイやフェミニズム文学が思い浮かびます。

韓国では、大学に入ることも就職することも日本より競争が大変で、若い世代の人はすごく頑張りを求められるんです。

そんな学歴社会に疲れをいっぱい感じている中で、その少し上の世代の人が「君は君らしくていいんだよ」と言ってくれるイラストエッセイは韓国内でも大変人気になり、日本でも数多く出版されましたね。

また韓国で2016年に刊行された『82生まれ、キム・ジヨン』はフェミニズムを題材にした小説で、約136万部の大ベストセラーになりました。

この本が2018年12月に日本で翻訳・出版されてメディアにも多くとりあげられたことが、日本で韓国文学が注目されるようになったターニングポイントです。

そこから「韓国の文学=フェミニズム」みたいな認識が広がりました。最初のうちは、フェミニズム本やイラストエッセイを入り口にして韓国の本を手に取ってもらえれば嬉しいですけど、私の想いとしては、それをきっかけにさまざまなジャンルの韓国の本を知ってもらえたらと思っています。

『82生まれ、キム・ジヨン』(2018) 筑摩書房

 チョ・ナムジュ 著

 斎藤真理子 訳

キム・ジヨンという女性(韓国における82年生まれに最も多い名前)の人生を通して、韓国での女性の生きづらさを描いた小説。その内容は日本と重なる部分がある。日本を含む約30ヵ国で翻訳・出版された。

日本の小説と韓国の小説の違いを感じることはありますか。

日本と比べて韓国では小説の中で個人の人生が描かれていても、、歴史的・社会的な出来事に大きく影響されているものが多い気がします。

その意味ではドラマチックな作品が多くて、こういう話を社長のキムさんに話すと、実際の韓国の歴史と関連付けてこう言われました。

「戦後、日本はどちらかというと経済的に右肩上がりで、社会的に自分たちの生き方や考え方が大きく変わる出来事は実は起こってない。それに比べて韓国では、日本に統治されていた時代があって、それが終わったかと思えば南北に別れて朝鮮戦争が起こる。その後も独裁政権に対する民主化運動があったり、1988年のソウルオリンピックのころに民主化を勝ち取ったけど、IMF危機を迎えたりと、自分の意思だけでは変えられない世の中の動きが多いからじゃないか」と。

文学にも社会的な意義を求められがちな韓国にあって、1990年代後半日本の大衆文化開放があり、村上春樹やよしもとばなな、江國香織といった日本の作家たちの翻訳作品が韓国で一気に広がりました。

そんな日本の作家たちの「自分=個」を描いている作品を読んだときにとても新鮮さを感じ、こうした日本の作品にも影響を受けた世代の人たちが2000年以降作家として活躍している感じですね。

選書についてのこだわりはありますか。

元々は、韓国語の原書が中心の本屋さんなので、少なくとも韓国で話題になっているものは置きたいと思っています。

クオン自体、小説とかの文芸書を扱うことが多いので、仕入れる際にも、文芸作品が多いという傾向はあります。

開店した当時、まだまだ翻訳作品は少なかったですが、今はいろんな出版社さんから小説やイラストエッセイがいっぱい出てますし、チェッコリが開店してから今年(2022年)の7月でちょうど7年が経つんですけど、当時と比べると大きく変わったなって思います。 

チェッコリのお客さんの9割は日本の方なんですけど、韓国語で本を読んでみたいという気持ちで来られる方は多くいらっしゃいます。

そういう方たちのために、初心者の方でも読みやすいものを置くようにはしていますね。手に取るときの参考になるよう、ポップをつけたり、見つけやすいように表紙を向けて陳列したりといった工夫もしています。

書籍の陳列の様子
お店全体の雰囲気作りとして工夫していることはありますか。

チェッコリはブックカフェなので、コロナ禍以前は、韓国の伝統のお茶やお餅とか、夜にはビールやマッコリを提供していました。(現在はカフェメニューの提供は休止中)

ブックカフェであることで、本を買う予定がなくても目的地になり得るので、この店に来るハードルを下げられたかなと思っています。

最近は韓国語の勉強をする方が増えていて、そういう方たちが遠方からでも来られることがあります。先日も、わざわざ北海道から高校一年生の娘さんがお母さんと一緒に来られた方がいらっしゃいました。

今は韓国に行きにくい状況ですし、ここに来ること自体を楽しみに来られる方が多くなった気がします。

神保町は東京ドームにも武道館にも近いので、韓国のアーティストの大きなライブがあるときは、チェッコリにファンの方がたくさん来られて、そこでファン同士の出会いが生まれることもあります。

本屋の枠を超えて、私たちは非日常の空間を提供する。韓国を通して、そこで人と人との繋がりが生まれたときがとても嬉しいです。

店内では韓国の雑貨も販売している
この先にむけて、どのような本屋でありたいですか。

チェッコリはイベントをたくさん開催していて、その数はお店が開店してからの7年間で700回近くになります。韓国の文学・ドラマ・映画作品に関するものや、食文化の紹介、政治・社会的に掘り下げるものなど、イベントの内容は多岐にわたっています。

コロナの影響でイベントをオンラインに切り替えましたが、そのことでむしろ全国の方にも参加していただくことができて、この点はすごく良かったです。

また、日本と韓国は時差がないので、韓国の方にも参加してもらうことができて、オンラインだからこそイベントの内容に広がりができました。これからも活用していきたいです。

やはりお客さんとの繋がりは大事にしていきたいですし、いろんな方たちとの輪がもっと広がればいいなと思いますね。

今、韓国の本がたくさん翻訳・出版されてますけど、一時的なブームではなくて、これからも変わらずに韓国の良い本が出続けてほしいです。微力ながらも、そのお手伝いができるように、出版社の人たちとの関わりも大事にしていきたいとも思います。

入り口のドアから店内へ
最後に大学生におすすめの一冊を紹介してください。

チャン・リュジンさんという方が書いた『仕事の喜びと哀しみ』という小説です。

紹介したい本はたくさんあるんですけど、大学生の方はこれから社会に出る方が多いと思いますし、仕事の場面やそこでの人間関係がたくさん出てくるので、この本をオススメします。

『仕事の喜びと哀しみ』(2020) クオン

 チャン・リュジン 著 

 牧野 美加 訳

2020年 韓国の書店員が選ぶ今年の本 小説部門受賞

ミレニアル世代(1980年代半ばから1990年代半ばに生まれた世代)の著者が同世代の人々を主人公に描いた8つの短編を収録。安寧ではない現実に向き合う人々を、軽やかにユーモラスに描く。

『仕事の喜びと哀しみ』と佐々木さん

その他のおすすめの本

『BTSを哲学する』(2022) かんき出版 

 チャ・ミンジュ 著 

 桑畑 優香 訳

ニーチェやヘーゲル、ハイデッガーなど、さまざまな哲学者の思想から、BTSの音楽、パフォーマンス、ミュージックビデオに込められたメッセージを紐解く。また、BTSが他のアイドルグループと一線を画す理由について、どのような「違い」を追求したのか、という点から考察する。

『大都会の愛し方』(2020) 亜紀書房

 パク・サンヨン 著

 オ・ヨンア 訳

韓国で将来が期待される若き作家の一人であるパク・サンヨンの著書。異性愛規範、世代間の価値観の違い、キリスト教、HIVなどの「壁」を前に、ゲイである主人公がどう葛藤し、乗り越えていくのかを描くクィア文学。

チェッコリ

営業時間(2022年6月現在):12:00~20:00(土・祝日11:00~19:00)

定休日:日・月曜日

HP:https://www.chekccori.tokyo/

Twitter:@chekccori

Instagram:@chekccori

Facebook:@chekccori・カフェ

WEB 連載・特集 本屋を航る、本屋と渡る インタビュー
本屋 韓国

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