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【インタビュー】新たな技術|EXDREAM株式会社代表取締役 斎藤喜寛

2020 11/07
VOL. 二項対立を考える インタビュー
AI 代表取締役 音楽
2020年11月7日
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現在、様々な分野でAI(Artificial Intelligence:人工知能)の活用が進んでいる。AIの活用は我々の生活を豊かにしてくれる一方で、その急速な発展に不安を覚える人も少なくない。EXDREAM株式会社の代表を務める斎藤喜寛さんは、音楽にAI技術を取り入れる革新的な研究を行っている。我々はAIという新たな技術とどのように向き合っていけば良いのか。そのヒントを得るため、斎藤さんにお話を伺った。

斎藤喜寛:EXDREAM株式会社 代表取締役。1980年代後期より音楽制作(作曲)に従事。武蔵野音楽院にてバークリー音大メソッドを学ぶ。2013年EXDREAM株式会社を立ち上げ。音楽とテクノロジーを融合した、未来の音楽の創造を目指す。音楽制作・販売、インターネット関連事業などを手掛ける一方で、音楽テクノロジー学校「canplay」を始めとした、音楽教育事業にも携わっている。

目次

AI×音楽

—— 斎藤さんはAIを用いた作曲の第一人者として活躍されています。斎藤さんの音楽との出会いはどのようなものだったのですか。

小学校5年生か6年生の頃に友人のお姉さんにギターをもらったのが始まりです。

もしかしたら自分の人生は音楽のためにあるのかもしれない。

その時なぜかそんなことを感じ、今までずっと音楽をやってきました。

最初はロックをやっていて、次第にジャズに興味を持つようになり、10代の半ばには音楽理論の研究を始めました。

研究を進めていくうちに音楽理論は数学的であることが分かり、プログラミングとの相性が良いのではないかと思うようになったんです。

そこで新たな音楽の可能性を探るべく、プログラミングを勉強し始め、AIを用いた作曲に取り組むようになりました。

これはまさに自分が研究するべき領域だなと思い、今はAIを用いた作曲に注力しているという感じです。

—— AI作曲について教えてください。

「AI作曲」とわかりやすく言っていますが、AIが行っていることは厳密には「作曲」ではなくて「生成」なんです。

「生成」とは、AIで言えば、アルゴリズムに基づいてメロディーなどの新たな音楽を書き出すこと、ただそれだけを指します。

一方で「作曲」とは、何かを伝えたいという願いや感情があって、それを音楽を通して人々に投げかけるまでの一連のプロセスを指します。

AIができる「生成」は、そのプロセスの中にある作業にすぎません。

もし今後AIが意思を持つようになり、音楽を通して願いや感情を人々に投げかけることができるようになったら、本当の意味で「AI作曲」といえるのかもしれないですね。

—— AIを用いた音楽はどのように作成されているのですか。

AIにも実はいろいろな種類があるのですが、私は人間の脳の仕組みを応用したニューラルネットワークという技術を用いています。

これは大量の音楽データを学習させることで、その中からAIがいくつかのパターンを発見し、それに基づいて新しいメロディーを生成するというものです。

例えば「手塚治虫 AI復活プロジェクト TEZUKA2020」のCM音楽を作成した際には、70年代ロックのギターリフをAIに学習させ、ギターのメロディーを生成しました。

生成されたいくつかのメロディーの中から良いと思ったものを人間が選んで繋げ、譜面を完成させました。

そして、AIが生成したギター以外のパートは、人間のアドリブ演奏で構成しました。

AIが生成したフレーズと、人間の感情に任せた演奏。

その二つを対比させることによって、より人間の感情が強調される楽曲になることを目指しました。

—— AIを用いた作曲にはどのような魅力があるのですか。

AIを用いた作曲の面白さは、今までとは違う、新たなクリエイティビティが問われることです。

AIを用いると、音楽に新たな価値を発見することができるんです。

現時点で、テクノロジーの活用は音楽業界ではあまり進んでいません。

CDやレコードの売り上げが落ち込むなかで、これからは今までにはなかった新たな価値を、音楽の中に発見していくことが重要になるでしょう。

AIを活用する動きを音楽業界の中にも広めていきたいと思っています。

具体的な取り組みとして、EXDREAMではAIを用いた作曲専門のスクール「canplay」を開いています。

また、将来的には音楽テクノロジーを教える大学や大学院も作りたいと考えています。

与えられたAIのサービスを使うだけでなく、自分でその仕組みを理解して作れるようになってもらいたいと考えています。

計算では表せない「感情」

—— AIを音楽に用いるメリットを教えてください。

人間の脳のデータ量は有限ですが、AIはコンピュータのメモリが許す範囲では、いくらでもデータを入れることができるんです。

AIを使うと、5時間の曲を音楽理論に忠実な形で生成したり、30秒間で500曲を生成したりするといったこともできます。

—— AIを用いると人間にはできなかったことが可能になるのですね。

AIは、囲碁や将棋のような計算を用いて正解にたどり着ける分野において、とても良い性能を発揮します。

一方、感情のような計算を用いて再現することのできない分野には、上手く対応することができません。

音楽においては感情の表現が何よりも重要であり、感情がなければ聴く人の心を動かすことはできないんです。

あくまでも、AIにできるのは計算に基づいて行われる「生成」に限られます。

—— 今後、感情を必要とする「作曲」をAIが行うようになることはないのでしょうか。

現在は、それはかなり難しいことだと思います。

人間の感情の中にはおそらく、それを用いる我々でさえも意識していないデータが入っています。

人類が誕生してから代々受け継がれてきた、あらゆるDNAやデータが感情の基になっているのかもしれません。

人間が当たり前に行っている感情の表現は非常に複雑で、それを用いる我々人間でさえも感情とは何かを説明することができないんです。

人間の複雑な感情のデータをもしすべて知ることが可能であれば、AIは音楽の中に感情を表現できるかもしれません。ただそれは簡単なことではありません。

—— 現在の技術をもってしても、感情は解読できないんですね。

少なくとも現在は難しいでしょう。

しかし、そもそも AI を人間に近づける研究自体、人間の知能、さらには感情をプログラミングだとみなすことに他なりません。

人間の感情を構成しているものは決して科学を超越した漠然としたものではなく、とてつもなく膨大なデータがプログラミングされたものなのではないでしょうか。

AIの研究をしていて面白いと感じることは、学ぶたびにAIだけでなく人間についても深く知ることができるところです。

AIの研究を始める前は、まさか自分がこんなに人間について考えることになるとは思いもしませんでした。

AI の研究は人間について知ることができる一番の方法です。

AIと私たちのこれから

—— 世間では、将来AIが人間に取って代わり、あらゆる分野で人間を凌駕してしまうのではないかと危惧する人が多いように感じます。斎藤さんはどう思いますか?

確かに、AIが人間に取って代わってしまうのではないかと危惧している人も少なくはないでしょう。

しかし、それはAIについて知らないということが大きな理由だと思います。

AIについての知識を持たない人は、AIを感情や意思を持っている独立した存在として漠然と捉えるようになり、結果としてその存在を恐れてしまうのです。

AIは、あくまでも人間が数式をプログラミングした機械に過ぎません。

AIの仕組みを理解すれば、私がそうである様に、決してAIを怖いものだとは思わなくなるでしょう。

技術の本質は人間の能力の拡張なので、AIの正しい活用は多くの人にメリットをもたらします。

そして今後はAIを使いこなす人と、まったく使えない人との間に、享受できるメリットの差ができるということも間違いないでしょう。

もちろんAIについて何も知らなくても生きていくことはできますが、少しでも理解しておけば、世界に対する見方が変わってくると思います。

他の色々なツールだったり、便利な機器と同じようにです。

そのためAIについて学び、理解しておくことは一層重要になってくるでしょう。

—— 世の中にある「AIと人間」という二項対立的な見方についてはどう思いますか。

AIと人間を二項対立的に語ることはナンセンスであると思っています。

なぜなら AI は人間の道具でしかないからです。

結局のところ数式をコードで入力するのは人間で、AIはそれに基づいて行動しているだけなのです。

その構造は将来も変わらないでしょう。

AIと人間は、決して相容れない関係にあるのではありません。

最も望ましいのは、二つの共存ではないでしょうか。

AIと人間を二項対立的に語るよりも、AIの道具としての可能性に注目し、有益に活用する方法を考えることが重要であると考えています。

—— AIは多くの人に受け入れられていくと思いますか。

例えば今の時代、ほとんどの人にとっては「自分が今インターネットを使っている」という実感は薄いでしょう。

これは、インターネットの技術が我々にとって「当たり前」になったからです。

同じように、今後AIの活用が「当たり前」になっていき、AIを使っているという実感はなくなってくると思います。

技術の価値は、我々研究者とそれを用いる皆さんとの間のやりとりの中で生まれます。

まず我々が新たな技術の紹介をする。

次に、我々がした提案に対して皆さんが「これはどうなんだろう」と常に疑問を持ちながら、受け入れるか受け入れないかを決めていく。

そうして皆さんにとって新たな技術が「当たり前」になったとき、その技術に価値が生まれるのです。

VOL. 二項対立を考える インタビュー
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