あなたの発する果物色の光が わたしの外殻を貫き、空洞にたっぷりと流れ込んだ 内からあなたに照らされた あなたの光で世界の輪郭を見た 昨日と変わらない道を、変わらないねと言うだけで 互いの体温が一つの目盛りに揃った 望遠鏡を向けられても、クレーターは見えないのだから 頬をよせ笑顔を返せた 、のに 超新星爆発 あなたはきれいに消えてった わたしは回転をやめた できなくなった 光が、身体中の隙間から流れ落ちていく すくおうと するが 指の間を すり抜ける 顔をおおう 流れきったあとに残ったのは 真っ黒い点 最初からそれがわたし ・・・停電 それでも他の星たちは瞬きもせず動いている 軌道の上を、同じ速度、同じ光度で ぶつからないように すれ違いざまの熱がわたしの冷えた皮膚を焼く 滲んだ痛みが脳を支配する 思考が停滞する 時間は過ぎていく 過ぎていく 過ぎてい く 「わたしには解けないです」 一匹のフラミンゴがこちらを見ている 「頭が悪いんです昔から」 虹彩に埋め込まれた真っ黒い点がこちらを向いている 「ひとをあいすることでしかいきられない」 嘴の向こうに自分がのぞく 「それが私だ」 辺りは相変わらず暗い 星たちは動く 変わらない眺め 神様はいないとわかっても 私は惰性のまま息を続ける
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