MENU
  • TOP
  • WEB
  • VOL.
  • FREE PAPER
  • Interview
  • Column
  • Articles
  • About Us
  • Contact Us
WASEDA LINKS
  • TOP
  • WEB
  • VOL.
  • FREE PAPER
  • Interview
  • Column
  • Articles
  • About Us
  • Contact Us
WASEDA LINKS
  • TOP
  • WEB
  • VOL.
  • FREE PAPER
  • Interview
  • Column
  • Articles
  • About Us
  • Contact Us
  1. ホーム
  2. インタビュー
  3. 【インタビュー】私にうつる物語|漫画家 冬野梅子

【インタビュー】私にうつる物語|漫画家 冬野梅子

2026 3/17
VOL. コピー インタビュー
2026年3月17日
  • URLをコピーしました!

自分がした体験と重なる作品を見つけたときに、人はそれを「わたしの物語」として語ることがある。ただ、作品と体験はまったくおなじものではないから、そこには「歪み」が発生している。その歪みは良いものなのか。作品への自己投影というものは人生においてどのように向き合うべきものなのか。今回は、多くの人が「わたしの物語」として受け取った『まじめな会社員』の作者である漫画家の冬野梅子さんにお話を伺った。さまざまな人たちの生き方が容易に見られるようになり、ほんとうに経験したことでなくても「既知」にできる今だからこそ、自身の生き方に他者を映すことについて考えてみたい。

冬野梅子
漫画家。
『マッチングアプリで会った人だろ!』で「清野とおるエッセイ漫画大賞」を受賞後、『普通の人でいいのに!』で「モーニング月例賞」奨励賞受賞。
その他の作品に『まじめな会社員』、『スルーロマンス』がある。
2025年8月より、コミックDAYSにて『復讐が足りない』連載中。

―「リアル」と言われるような世界観をもつ作品を描き始めたきっかけを教えていただきたいです。
特に「リアル」さを目指したつもりはないのですが、私自身あまり遊びができないので、フィクション的な展開が描けずにそうなっちゃったんだと思っています。あとは、派手さがない、地味な話をみんな「リアル」と言っているのかなと思います。

―エッセイの『東北っぽいね』を読む限り、ずっと狭い世界の外に出たいと思ってらっしゃったように感じたのですが、自分の人生とは全く異なるファンタジー的な作品を描きたいという気持ちはあまりなかったのでしょうか。
そうですね。地元に居た時もあまり上京したりとかは望んでいませんでした。なんとなく自分自身のことも好きじゃないし現状に対する不満もあるんだけど、新しいことはできないという気持ちで、「想像の中だけは自由だ!」みたいなのもなかったんだと思います。本当に暗くて、希望が持てなかったんじゃないのかな。

―『まじめな会社員』はご自身の体験を基に描いていらっしゃるように思えるのですが、漫画のキャラクターを描かれる時は、ある特定の人物をモデルにしているのか、それともご自身のことなのかをお聞きしたいです。
『まじめな会社員』は、もともと『普通の人でいいのに!』という読み切りが話題になったのを受けて、そこと地続きになるものを連載しようということだったので、その二つの作品では、自分をベースにしつつ、それよりも間違った選択をするような人物像をつくっていました。もし自分が創作的なことを全然せず、なんとなくやってみたいなっていう気持ちだけを抱えたまま生きていたらどうなっていたんだろうというイメージで。最初にそうして描いたこともあって、その後の作品では、同じようなものを描いてるなって思われないように、どうしたらいいのかを考えていましたね。なので、自分自身を基にしているものもあれば、あえて距離を取って、自分の考え方と真逆の行動をキャラクターに取らせていたこともあります。

―ご自身の体験を基にされていると、そのまま描いていても実際のこととは違ってくる部分があると思うのですが、その歪みについてどう感じていますか。
いいものだと思って描いています。経験したことをそのまま描くのって、ストーリー漫画を描いていると言えるのだろうかと思っていたので。このキャラクターならこう解釈するだろうみたいに、自分の経験だけどあえてずらしたり歪ませたりする、創作ってそういうことなのかなって考えていました。あと私のイメージですけど、漫画が好きな人には、エッセイに近い作品になるほど価値が低いと思われていて、実体験をそのまま書いていない方がポジティブに受け取られるんだろうと感じていましたね。

―『まじめな会社員』三巻の帯には、「あなたの物語」という言葉が使われています。作品を「わたしの物語だ」と捉えられることについてどう感じていらっしゃるのかお聞きしたいです。
それは嬉しいと思っています。漫画に出てくる女性キャラクターって心が広くて、人に奉仕するのが好きで、基本的に良い子が多いんですけど、『まじめな会社員』の主人公は別に良い子じゃないですよね。そういうキャラクターに対して「自分だ」と言ってもらえるのは、キャラクターや作品が愛されていると思えて、素直に嬉しいです。

―読者に求める読み方はありますか。
基本的には楽しんでもらえたらいいなとは思います。作品に自己投影してもらえるのは嬉しいですけど、その先はもう自分の管轄外なのでそれ以上のことは思わないです。

―描く時にはあまり共感を意識されていないのでしょうか。
そうですね。『まじめな会社員』は、自分みたいな人ってこの世の中にいるのかなという感じで描いていたと思います。だから、みんなには伝わらないけど仲間がいたらいいな、一人ぐらいはわかってくれるだろうみたいな気持ちでした。

―『まじめな会社員』や、『普通の人でいいのに!』はかなり反響があり、多くの方の共感を集めたと思うのですが、それはなぜだとお考えでしょうか。
当時のTwitterの世界って、劣等感を刺激するものがバズりやすかったと今になって思いますね。女性だったらちょっと自虐的な気持ちで、主人公と自分が全然違っていても「わかる」って言う。自分よりもひどいキャラクターに対して、私と同じだって言うんだと思います。男性にとっては、ひどい女性像というものは格好のネタだったんでしょうね。わざと曲解するように広める人もいて、消費されやすかったというか、悪い言い方をするとおもちゃになりやすかったんだと思います。

―鑑賞者や読者という立場からもお話を伺いたいのですが、人生の中で、映画や本はただの娯楽だったのか、救いのような存在だったのかをお聞きしたいです。
小学生の頃は、すごく漫画が好きでした。少女漫画を読んで素直にそういう世界に憧れていたし、高校生になったら彼氏ができて、「切ない」みたいな感じとかを経験するんだろうなって思っていましたね。成長するにつれて、漫画の世界と現実が全然リンクしないなあということにも直面するんですけど、当時は純粋に夢を見て楽しんでいました。高校に入ってからはすごく映画が好きになるのですが、その時はもどかしい気持ちというか。いくら洋画の世界観が好きでも、現実は建物もライフスタイルも全然違うし。どれだけ夢を見てもそこには行けないことが辛くて、現実は変えられないからなるべく想像の世界に浸ろうと、部屋にこもっていた時期もありました。

―共感できそうなものと、自分と全く別の世界を描いたものでは、どちらをテーマにした作品を観たり読んだりしていますか。
どっちも好きで、共感できそうなものかどうかはあんまり選ぶ時の基準にはないです。本だと、自分が考えていることの答えになりそうなものを選ぶ気はするんですけど、映画やドラマは雰囲気や世界観が楽しそうと思うものを見続けたりします。

―ある作品を「わたしの物語」として語ることはありますか。
それはほとんどなくて。だからああいう漫画を描いたんですけど、昔は卑屈で性格が良くない主人公ってあんまり女性のキャラクターで出てこなかったのかな。ドラマの脇役に、一見自分みたいな人がいたりするんですよ。地味で、事務職をやってて、内気で、みたいな。でもそういう人は、地味な自分でも、みんなから好かれるような華やかな人になりたいと思っていて、背中を押されると喜んでそうなるキャラクターが多いんですね。そんな素直だったらもうなってるじゃん、なんで自分みたいにウジウジした嫌な人がいないことになってるんだろうって思っていました。
でも唯一、『ゴーストワールド』という映画については、自分って主人公のイーニドみたいな子だったと思いますね。観た当時は高校三年生で、え、私ってこんなダサいの?みたいな。客観的に見たら私ってこんな風にちょいポチャで、ちょいダサなんだ、っていうのにショックを受けて、別にこの主人公とは違うよねって考えるようにしていたところがありました。でも今振り返ると、ああいう何かしたいんだけど何をしていいかわからない、というのはまんま高校生の頃の自分だったなと思います。

―卑屈な女の子が主人公の物語というのは、時代が進むにつれて増えてきていると思われますか。
それはすごく思いますね。『勝手にふるえてろ』とかはけっこう前の作品ですけど、割と分かるって思える要素が多かったので。女性作家の作品だと、ちょっと嫌な主人公とか、献身的な役割を放棄している主人公とかが多くて共感しやすくなっているかもしれない。

―『まじめな会社員』は、自分で自分を救うという意味合いもあるのでしょうか。
漫画を描きはじめてからは、思っていることを形に残していいですよってお墨付きをもらっている状態で、かなり精神的に楽になっていたので、どちらかというとパラレルワールドにいる、ずっと何がしたいのかよくわからないもう一人の自分のために描いていました。通勤せず漫画を描いていていい状態でいることで、もう一人の自分に対する申し訳なさとか、罪悪感とかもちょっと感じていて。その上で下手にハッピーエンドにして、主人公からこういうお仕着せの幸せにしとけば喜ぶって思ってるんだろうって言われないように、地に足のついた終わりにしないといけないって考えていたので、救うというより、誠実に見つめるという気持ちでした。

―『まじめな会社員』や、さきほどおっしゃっていた『ゴーストワールド』に対する考え方や見方は、ご自身の年齢や環境によって変わってきていますか。
そうですね。物事の渦中に居るときはうまく認識できないので、振り返ると、大変な状況なのに良く受け止めようと努力をしていたと思うことがあります。そういう意味で、『まじめな会社員』も『ゴーストワールド』も、知識も経験も何もない中でどうにかやろうとしているなと登場人物を褒めるような気持ちもあれば、いたたまれないような気持ちもあったりしますね。

―ご自身が書いたキャラクター、具体的には『まじめな会社員』のあみ子などに、改めて自己投影されることはありますか。
あみ子は本来の自分よりも若干素直な人物像になっていて、自分の方が嫌な人だなって思いながら描いているので、自己投影しづらくはあります。世の中とか他人を信じているからこそすごく絶望するという、自分よりかは可愛らしい人間なんです。他人からそうやって右往左往することを可愛いと言われるのって腹立たしいとは思うんですけど。自分だけどやっぱり創作物というか、嘘の存在というか。キャラクターは自分の体験をもとにわざと歪ませて描くけど、投影するのかって言われると微妙なラインです。

―創作して発表する側にも立たれるようになったことで、作品に自己投影することに対する考え方は変わりましたか。
創作するようになったから物事の消費の仕方が変わるということはあまりなかったです。世の中のフィクションに対して、これが自分だったらって思って観るのは全然変わっていないと思います。自分の作品に関しても、実体験をそのまま描くことはないんですけど、なるべく近いシチュエーションに変えて、自分が得た実感が反映されるように描いています。

―自分をキャラクターに投影することについての考えを伺いたいです。
いったん投影することで、自分の輪郭がはっきりするというのはあると思いますね。でも、漫画とかでどのキャラクターが自分に近いかなと考えながら読んでいると、ある時点までは共感していてもすごい裏切ってくるじゃないですか。ちょっといい加減で優柔不断な主人公なんだな、わかるわかるって読んでいたら、実は結構才能があって、周りの人に自分たちとは全然別の人だと思われてたみたいな。そういうことが後半で明かされると、全然自分じゃない人に投影してたんだなって思って冷める時があります。裏切られるのも楽しさではあるんですけど、いったん投影して、これは自分だなって思ったり、自分だったらちょっと違うかもって思うことで参照するものが増えて、なんとなく自分の考えていることや自分の性格がはっきりしてくるような気がして。だから、投影して振り回されるっていうのは結構好きな方かもしれない。でも、いつも創作の主人公って成長しちゃうじゃないですか。殻を破って、みたいな。そこで毎回裏切られていますね。

―そのような「裏切り」の部分で絶望したり、ネガティブな感情を抱かれたりはしないのですか。

その時は怒りとかもあるんじゃないですかね。結局相談できる人が二人もいるじゃんとか、なんだかんだ実家近いじゃんみたいなことを思ったりはします。そういう時は、この物語を描く人もポジティブに終わらせなきゃいけないから苦肉の策で友達がいる設定にしたんだよね、とか思うようにして気持ちを落ち着かせたりしています。でもやっぱり読んだ直後は、裏切られた!みたいな気持ちになる。なるけどそれは絶対避けられないので、そういうものとして受け止めています。

―最後に、作品や他者を自分の人生に投影しすぎないためには、どのようにしたらよいと思われますか。
結構難しいですね。人によっては作品に影響されて、精神的に落ち込んだりする人もいるだろうし。でもそういう時には、意地悪さというか、性格の悪さっていうものが創作物に取り込まれすぎない点でいい方に作用することもあるのかなって。落ち込みすぎないように、わざと重箱の隅をつつくような気持ちでケチをつけることで、あんまり悪い方に引っ張られすぎないのかなと思います。ただ逆に、そこから学びを得て自己改善するチャンスだっていう時にも、それが悪いほうに作用してストッパーになることもあるので、意地悪さっていうものには良い面と悪い面、両方あると思いますね。

VOL. コピー インタビュー

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Follow @wasedalinks Follow Me
  • 【インタビュー】君はイリュージョン|写真家 川島小鳥

関連記事

  • 【インタビュー】カルチャーはまちを塗り替える|ラッパー Zeebra
    2020年5月10日
  • 【インタビュー】本屋は誰がために|八戸ブックセンター所長 音喜多信嗣
    2020年5月12日
  • 【インタビュー】「善悪」に答えはあるか? |アニメーション監督 塩谷直義
    2020年11月7日
  • 【コラム】天地 直線曲線
    2020年11月7日
  • 【コラム】Merhaba, Turkey
    2020年11月7日
  • 【インタビュー】二項を通じて見える世界|グラフィックデザイナー 原研哉
    2020年11月7日
  • 【インタビュー】「自分なり」の見つけ方|オタク女子4人のサークル 劇団雌猫
    2020年11月7日
  • 【インタビュー】新たな技術|EXDREAM株式会社代表取締役 斎藤喜寛
    2020年11月7日
カテゴリー
  • インタビュー
  • コラム
  • イベントレポート
  • 連載・特集
ページ
  • About Us
  • TOP
  • Articles
  • 連載・特集
    • 本屋を航る、本屋と渡る
    • やばい店に行ってみた。
  • FREE PAPER
    • 『WASEDA LINKS』vol.45 変身
    • 『WASEDA LINKS』vol.46 喪失
    • 『WASEDA LINKS』vol.47 本能
    • 『WASEDA LINKS』vol.48 幽霊
    • 『WASEDA LINKS』vol.49 編集
    • 『WASEDA LINKS』vol.50 コピー
    • 『WASEDA LINKS』特別号 ここにいる
    • 『WASEDA LINKS』vol.44 抵抗
  • 早稲田の杜
  • LINKS FAVORITE

© WASEDA LINKS.

目次