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【インタビュー】本屋を航る、本屋と渡る 第十回|本屋イトマイ

2024 8/07
WEB 連載・特集 本屋を航る、本屋と渡る インタビュー
2024年8月7日
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本屋を航り、本とともに人生を渡る方の話を聞いていく連載企画『本屋を航る、本屋と渡る』。

第十回は『twililight』の熊谷充紘さんにご紹介いただいた、ときわ台の『本屋イトマイ』の鈴木さんにお話を伺った。

東武東上線のときわ台駅を降り、円形の広場を抜けて1分ほど歩くと入口が見えてくる。

階段を上ると、アンティーク調の家具が配置され、どこか非日常的で贅沢な空間が広がる。

ここで本とともにグラデーションの美しいクリームソーダや店主自らが考案するスイーツを堪能する時間は格別だ。

店内には幅広いジャンルの本が並ぶ

ー本屋を始めたきっかけはなんですか。

2015年の頭にある雑誌を読んで、「B&B」という本屋のオーナーである内沼晋太郎さんが主催する本屋講座の存在を知り、これは行かなきゃと思い参加したんです。

そこで内沼さんの話を聞いて、本屋って本当に何でもできるなという印象を受けました。

実は本屋を開くことをずっと目指していたとか、小さいころから読書が好きだったとかではないのですが、そういう本屋の自由さは大学時代に学んでいた現代美術と通じるものがあって、これを職業にできたらすごく素敵だなと思いました。

当時僕は30代半ばで、それまでやっていた仕事をそのまま続けていくよりは、新しく自分がやりたいと思うことを仕事にしたいと考えていたんですよ。

ちょうど結婚を考えていた時期でもあったので、そんなときに本屋講座に出会ったことがきっかけで40歳になる前にこの店を開きました。

ー本屋を始める前は何をされていたのですか。

地元の山形の美大で現代美術を学んだのですが、ちょうど就職氷河期真っただ中だったので現代美術を仕事につなげるのも難しく、地元の新聞社に就職しました。

そこで広告のデザイナーとして3年間働いて手に職をつけることができました。

でも本当は現代美術の制作がしたかったので、東京に出てきてデザイン事務所で働きながら作品をつくったり、小説を読んだり、あとただただ酒を飲むみたいな生活をしていました。

ー書店の名前の由来はなんですか。

「お暇(いとま)する」の「いとま」から取っていて、オフィシャルでもプライベートでもない時間をあえて作ってもらうというコンセプトです。

ひまな時間って結構大事だと思っていて、そういう時間にぼーっとしたり、読書をしたり、ちょっと美味しいものを食べてもらったりできたらいいなと。

ポップは常連のお客さんが書いてくれることもあるんだそう

ーなぜときわ台の街で本屋を開くことにしたのですか。

当時隣の駅に10年以上住んでいて、その近場で物件を探していたところ、ここが僕が思い描く内装、レイアウトに適した形だったんです。

あと、もともと地方出身なので、大きいターミナル駅や人気のある街よりは、ローカルなところでやる方が自分っぽいかなと思い、ときわ台を選びました。

ー地域の中での交流はありますか。

喫茶スペースで提供するフードやドリンクのために近くのコーヒー屋さんやパン屋さんに発注しているので、お店同士のつながりがあります。

お客さんは地元の常連さんが多いですが、遠方から来た人が何度も通ってくれるようになることもありますね。

SNSを見て気になって来ましたという方も多いです。

ーときわ台を超えた書店同士のネットワークはあるのでしょうか。

ありますね。特に個人でやっている書店同士が繋がることが多いです。

三軒茶屋のtwililighitさんの場合は出版もされているので、その本を取り扱わせてもらえませんかとアプローチしたり、他にも気になった本屋さんに直接行ってみたりもします。

それから9店舗の個人書店で共通して使えるポイントカードも作っていて、それが他の書店を知ってもらうきっかけになっています。

そんなふうに、お客さんに他の書店も回ってもらえるように工夫しています。

常連さんや付き合いのあるお店による記事が収められたオリジナルの小冊子「イトマガジン」

ーどんな本を取り扱っているのですか。

ときわ台の近隣は新刊書店が一軒もないので、ちょっと本を読みたいなっていうときに立ち寄ってもらえるようにいろんなジャンルを広く浅く置いています。最近はZINE(個人出版)も多く扱うようになりました。

ー本を読むことの魅力は何ですか。

読んでいるその瞬間を最大限に楽しめるところだと思っています。

僕は小説を読むことは好きなんですが、読んでからしばらく時間がたつと内容をほとんど忘れてしまっているんですよ。

だけど、本を読んでいる最中はその内容に共感をしたり心が揺さぶられたり、最大限にコンテンツを楽しむことができる。

本を手にしてページを進めたり戻ったりする動作と合わせて、そのときの季節感や今いる場所の空気を身体で感じ取りながら自分の内面と向き合えるところも本の魅力だと思います。

本を読んでいるその時間を楽しめるように、店内の空間づくりにもこだわっています。

このカウンターで喫茶メニューの注文をする

ーお店を始める際に苦労されたことはありますか。

僕の場合は書店もカフェもどっちの経験もなかったので、そこはやっぱり大変だったかな。

でも経験がない分、あれこれ考えすぎず思い切って行動できたので楽ではありました。

ノウハウがない中で、どうしたらいいか分からない状況をいかに楽しめるかが重要な気がします。

ー楽しむ秘訣はなんですか。

自分がやりたいようにやれば、何をやっても楽しめると思います。

とは言ってもお客さんがいることで成り立つ商売なので、お客さんのことを想像しながらどうやって楽しむかが大切ですね。

今年の3月に5周年を迎えて、徐々にお客さんのことを考えながら自分なりにお店をやれるようになってきました。

ーお店がある日の一日のスケジュールを教えてください。

息子を保育園に送ったあと、10時頃から開店準備を行います。

12時から19時まで営業をして、いったん帰宅して夕飯を家族みんなで食べます。

そこからまた店に戻って夜中の1時から2時頃まで仕込みをして、翌日の準備が終わったら寝て、また朝7時くらいに起きるという超ハード、超ブラックなスケジュールです(笑)

ーハードな環境でも続けようと思えるモチベーションはなんですか。

モチベーションも何もなくて、ただがむしゃらにやりたいことをやっているだけです。

一度本屋を始めてしまったからには、もう止まるわけにはいかないという状況です。

なので、走りながらどうやってより良くしていこうかということを考えていますね。

時間が限られている中でやりたいことはいろいろあるので、大変ではあるんですが、それを楽しんでいるところがあります。

ー途中で立ち止まることはなかったのでしょうか。

コロナの感染が拡大していた時期は先が見えない中で止まり続けていたので、結構しんどかったです。

でも、内沼晋太郎さんをはじめ、本が好きな人の集まりが、本屋を救うために「ブックストア・エイド」というプロジェクトを立ち上げて資金援助をする動きがあったことには勇気づけられましたね。

ー喫茶のメニューも豊富でこだわられているように思いますが、バスクチーズケーキなどメニューも鈴木さんが考えているのですか。

そうです。すべて僕が手作りしています。

そんなに深くは考えていませんが、定番のものがあって、あとは季節に合わせてアレンジを加えています。

この間は5周年記念をお祝いする意味で、ボリュームのある栗とチョコレートのバスクチーズケーキをつくりました。

味に関しては、僕自身はっきりしていないところがあるので、引き締まった感じのない味にしました(笑)

ー原画展もやられていますが、作家さんとのつながりはどのように形成されているのですか。

原画展は比較的新しい取り組みなのですが、僕が気になった作家さんに声をかけて企画が実現することが多いですね。

3月に原画展をやっていただいた半田遊太さんは、元々ここの常連さんで、猫の絵をかいて発表している方でした。

他にも、twililightさんとのつながりで原画展を企画したこともあります。

ーそういった企画展を行う目的はなんでしょうか。

集客の面が大きいですね。

その作家さんが好きな人がここを知ってくれるきっかけになるので、いろんなつながりが生まれるんじゃないかと期待しています。

うちはあくまで本屋なので、本に関連する作品を展示することにはこだわっています。

ー最後に大学生におすすめの本を教えてください。

ひらいめぐみさんの「転職ばっかりうまくなる」という本です。

20代後半までに6回も転職をしている作者が、転職のことや働くことについて書いたエッセイです。

度重なる転職の末、作家に落ち着き、それまでの職場の環境になじめなかったことを1冊の本にすることで、筆者は過去の自分を肯定していくんですよ。

20代や30代で人生が決まるかというと正直そんなことはなくて、僕自身も40歳あたりからやっと一つにまとまってきたように感じます。

だから彼女にとってこの本も、決して最終的なゴールではなく、全部この先の人生の伏線だと思うんです。

なかなか世間的に許されない状況もあるでしょうけど、20代や30代のうちはもっと気楽に構えていいように思います。

社会に出る直前の大学生にこそ読んでもらいたい一冊です。

「転職ばっかりうまくなる」のポスター

ー他にもおすすめの作品があれば教えてください。

長くて読みにくいものを読んでもらいたいですね。

そういう意味でおすすめするのは、セルバンテスの『ドン・キホーテ』とドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』、あとはガルシア=マルケスの『百年の孤独』です。

この3冊は全部読んでもらいたい。

本は読み切らなくてもいいし眺めるだけでもいいとは思うんですけど、こういう長くて読みにくい物語を読み切ったことはきっと自信になると思います。

学生の間に読むのと、社会人になってから読むのとでは感じ方も全然違うと思うから、感覚の違いを楽しむ意味でも学生のうちに一度トライしてみてほしいです。

ー長くて難しい物語は理解しづらくて読み切れないことがよくあるのですが、そういった本は理解できないといけないものなのでしょうか。

何を言っているのか理解できないと感じることも大事だと思います。

結局何が言いたいのかわからなくても、何回も行ったり来たりしながら理解しようとすることに意味があると思うんです。

自分が理解できるものは限られているし、世の中も簡単に理解できないことばかりじゃないですか。

そういうものに立ち向かうという意味でも、読みやすくて感動する作品だけでなく、長くて理解しづらい作品もぜひ読んでもらいたいです。

「転職ばっかりうまくなる」と店主の鈴木さん

WEB 連載・特集 本屋を航る、本屋と渡る インタビュー

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