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【インタビュー】まちと対話と|国立本店「ほんとまち編集室」代表 加藤健介

2021 11/06
VOL. 対話の向こうに インタビュー
まちづくり ファシリテーター
2021年11月6日
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少子高齢化、インフラ設備の老朽化、近隣関係の希薄化など、首都圏の自治体が現在抱えている課題は複雑かつ深刻である。そこで注目されているのが市民の力だ。各市区町村は市民参加型のワークショップを開催することで市民の声を引き出し、問題点の共有によって新たな課題解決のアイデアが生まれることを期待している。そして、そういった場で活躍するのがファシリテーターだ。ワークショップの進行を行い、市民同士、また市民と自治体職員の対話を促していく。

ファシリテーターとしての経験を活かし、市民の交流スペース「国立本店」を運営する加藤健介さんに、まちづくりの現場で必要とされている対話についてお話を伺った。

加藤健介:まちづくりコンサルティングを行う会社でファシリテーターとしての経験を積み、現在は合同会社三画舎の代表を務めている。また、国立市のコミュニティースペースである「国立本店」では「ほんとまち編集室」の代表。

目次

人と人をつなぐ

ーー加藤さんはファシリテーターとして活動をしていらっしゃいますが、ファシリテーターとはどういったお仕事なのでしょうか。

市役所などで行われている、たくさんの付箋を模造紙に貼るようなワークショップを知っていますか。そういったワークショップで司会進行などを行なっています。

一般的に地方自治体では、まちづくりの際に長期的な計画を作り、それに沿って仕組みづくりや開発などを進めていきます。

水道のようなインフラの話から、子供や高齢者も住みやすくなる工夫まで、計画に含まれる要素はさまざまです。

長期的な視点でのまちづくりは長く行われてきたのですが、その計画に市民の声を反映させるようになったのは最近のことです。

もはや従来の行政と市民の一方的な関係では、地域の課題を解決することができなくなり、市民の意見も尊重しようとする意識が広がりました。

そういった経緯があり、現在では計画の策定前のさまざまな段階で住民参加型のワークショップが開かれることが一般的になっています。

ワークショップは対象を一般の市民とし、参加者を6、7人ぐらいのグループに分けて話し合うという方法が一般的です。

ワークショップに参加した方々の意見をまとめて吸い上げ、それらを計画に反映させるのがファシリテーターの仕事です。

計画の策定のためのワークショップのほかにも、まちづくりへの参加を後押しするような活動も行なっています。いろいろな意味でのまちづくりに関わっていますね。

ーー加藤さんは具体的にどういったお仕事をされてきたのでしょうか。

3年前まではまちづくりコンサルティングを行う会社に勤めていたのですが、現在は自分で立ち上げた合同会社三画舎で、東京都市を起点に事業を展開しています。

三画舎ではファシリテーターとしての経験を活かし、人と人を繋ぐようなことも行なってきました。

まず、『国立新書』という国立市が発行した新書のシリーズの制作に関わりました。

『国立新書』の創刊準備号は「国立を知るー参加と対話を求めてー」がテーマ。

私は国立市民でもあるので、それこそ市の編集担当の方々と対話を重ねながら、「本をきっかけに市政への参加とそこでの対話が生まれたら良いね」という思いで制作しました。

内容には市民の活動紹介なども盛り込み、市民がまちに興味を持つ入口となるよう工夫しましたね。

また、国立市の隣の国分寺市で2年前から行われている、「こくぶんじカレッジ」という連続講座にも運営スタッフとして参加し、カリキュラムの作成や司会進行、アドバイザーなどを担っています。

ーー「こくぶんじカレッジ」とはどういった講座なのでしょうか。

「こくぶんじカレッジ」は国分寺市と特定非営利活動法人マイスタイルとの協働事業で行なっている、地域で活動をしたい人たちの後押しをする講座です。

最近は自分の地域で何かをやりたいという方が増えていて、この講座ではそういった方々でチームを組んで試しに何かテーマを持って活動してみようという取り組みを行なっています。

そこで生まれる企画はとても面白いなと感じます。

印象に残っているプロジェクトとしては「国分寺出張マルシェ」があります。西国分寺駅前の八百屋さんのAさんと小学校教師のBさんが行なったプロジェクトです。

Aさんは「こくぶんじカレッジ」の講座に参加して、自分のお店に来るお客さんの中には、移動手段が限られた地域に住んでいる方もいると気づきました。

Aさんがそういった方々にも野菜を届けるために自分にできることはないかと考えていたら、教師のBさんが以前から自宅でマルシェ(註)を開きたいと思っていたことがわかって。

その二つの想いを合わせて、Bさんのお宅を起点にマルシェができたら面白いということになり、実際にマルシェが開催されました。

このように、「こくぶんじカレッジ」の参加者には、まちに対するアクションを起こしたいけれど、自分ひとりの力では実行が難しいと感じている方が多いです。

この活動は、そうした方々のお話を聞くことでまちへのはたらきかけの種を見つけ、その芽を育てるためのお手伝いになることを目指しています。

ーーファシリテータ―として対話を促す際に意識していることはありますか。

ファシリテーションのやり方も人によって違うとは思うのですが、私はもともとかなりの人見知りだったので、初対面の相手と話せない人の気持ちもわかるんです。

なので、話しやすさという点に特に気をつけていますね。

グループでのワークショップで90分から120分ぐらい話したあとに、初対面の参加者がにぎやかに会話を続けて帰らないでいるのを見かけると、ファシリテーターとして良い雰囲気をつくれたのだなと実感します。

また、住民参加型のワークショップを行う場合は、「一人でずっとしゃべらない」や「相手の話をちゃんと聞く」といったことを事前に伝えることはあります。

対話の雰囲気をつくるために伝えるのですが、それでも延々と自分のことのみを話して、相手の言うことは聞かない方もいらっしゃいますね。

そういった方も含めて良い雰囲気をつくれるかということが、ファシリテーションを行ううえで重要だと思います。

まちづくりの主役

ーー加藤さんはファシリテーターであると同時に、そのまちに住む一人の市民でもありますよね。市民として、自分のまちに対してどういった意識で向き合っていますか。

行政と仕事をすることが多いので、行政の手が届かなかったり、苦手としていたりする部分はなんとなくわかってきていて、そういったところに市民の立場から向き合いたいという意識はあります。

行政が開催するワークショップは、地域で活動する人を増やすねらいで行われる側面があるのですが、市民にはなかなか定着していない現状があります。

例えば、参加者の多くが60代以上のシニア層になることがよくあるのですが、そうなると出てくる意見に新しい世代の視点が欠けてしまいがちです。

このように、行政が主導のまちづくりだと、多くの市民の感覚からは離れてしまう場合もあるので、市民が自発的に活動を始められる環境をみんなで整えたほうが良いのではないかと考えています。

私は行政が苦手なことは市民がやってしまえと思っているところがあって。私の運営している「国立本店」はその一例です。

ーー「国立本店」ではどういった活動を行なっているのでしょうか。

「国立本店」は、本とまちをテーマとした交流スペースです。

30人ぐらいのメンバーが日替わりでお店番をしていて、開いている時間なら誰でも入ることができます。

まちの居場所としてお客さんを待つだけでなく、「国立本店」でのイベントも積極的に行なってきました。

さらに、まちに繰り出しての活動も行なっていて、「国立本店」が行なった地域活動としては「旧高田邸」のさよならイベントがあります。

国立は学園都市として大正末期にできた町なのですが、その当時に建てられた「旧高田邸」という貴重な邸宅が6年前に解体されてしまいました。

解体前にせめて多くの人に存在を記憶してもらおうと、「国立本店」メンバーと地域で活動されている有志の方で「旧高田邸」を一般公開する企画を行なったんです。

「旧高田邸」にお住まいだった方は、東京商科大学(現・一橋大学)や、国立市の南部にある滝乃川学園の校医であり、かつ文筆家でもあったので、そういった方が住んでいたことを紹介するような企画を10日間ぐらい実施させてもらいました。

この企画の大きな特徴は、準備段階から市民が自ら動いてイベントが実現したという点です。このイベントの記録も、クラウドファンディングでお金を集め、行政の力を借りずに本にしています。

国立市には貴重な財産があるというのを市民目線から紹介することにも「国立本店」は取り組んでいますね。

現在、「国立本店」には10代から70代ぐらいまでの人たちが参加していて、それぞれが「地域で何か活動をしたい」とか「関わりが薄かったまちと繋がるきっかけがほしい」といった動機を持っていると思います。

「国立本店」でいろいろな人と接することで、大きな目標がなくても「自分だったらこういうことができるな」と気がついて活動を始めていく人は多いですね。

これからのまちと対話

ーーコロナ禍によってさまざまな点において変化が生じていると思います。そのような状況で、まちづくりの在り方はどのように変わっているのでしょうか。

改めてまちに目を向ける人が増えていると感じています。

その要因の一つに、以前と比べてテレワークが増え、通勤に割く時間を地域での活動に充てられるようになったことが挙げられます。

「こくぶんじカレッジ」のようなイベントに参加してみたり、自分が住んでいるまちの行ったことのない場所に足を運んでみたりと、これまでよりも深くまちと関わろうとする人の姿が多く見られます。

この状況はコロナ禍が収束しても続くのではないかなと思っています。

また、積極的にまちづくりに関わる余裕がないという行政の状況が、コロナ禍によっていっそう深刻化している気がします。

先ほどお話しした『国立新書』の「参加と対話」というテーマには、住民側からだけでなく行政側からも積極的な参加と対話へのはたらきかけが必要だという思いが含まれています。

『国立新書』の発行の立役者となった国立市の副市長も、「市役所職員がまちのことをもっと知り、職員からもまちに対する自発的なアクションが生まれる環境をつくりたい」と話されていました。

僕はその意見に賛成で、まちづくりにおいて、自治体の職員も単に仕事としてこなすのではなく、各々が主体的に何らかのアクションを起こしてくれると嬉しいですね。

ーーこれからの「まちづくりと対話」においてどのようなことが必要となってくるのでしょうか。

やりたいことがある人に寄り添って、後押しをしてくれる場所が増えると良いですよね。

これまでまちづくりに関わりのなかった人は、「きっかけがない」「興味が向かない」「何らかの弱者であるために行動を起こせずにいた」など、さまざまな人がいます。

そういった方々が地域で活躍するにはどうすれば良いのかと常々考えています。

「国立本店」や「こくぶんじカレッジ」などの、他者と関わる窓口があってその先でまちにも関わることができるという状況を、さまざまな形で増やすことが大切だと思っていて。

他者と関わる場所にも居心地の良し悪しがあります。

「国立本店」という場所にしても、面白い空間だと思える人もいれば、ゆるい雰囲気が苦手だという人もいるでしょう。

だからこそまちと関われる場所を増やし、それぞれが自分に合う環境を見つけることができれば良いなと思います。

「あそこでは自分の考えや意見を言いだしにくかったけど、ここだったら言いやすいな」というふうに、みんなが対話の可能性を持てると良いですね。

一か所でも行きやすい場所をつくると、まちに対する姿勢も変わるかもしれません。

人との関わりが増えた結果として「ほかの場所にも行ってみよう」「もっと多くの人と関わろう」と、対話ができる状況をさらにつくっていこうと考える人もいるのではないでしょうか。

まちへのまなざしを変えるきっかけをいかにつくっていくのかが大切だと思います。

(註)マルシェ フランス語で「市場」を意味する。生鮮食品を中心にさまざまなものが取引される場の総称であり、地元密着型のマルシェの事例は日本でも増えている。

国立本店:国立市にある「本とまち」をテーマにした地域の交流スペース。約30人の「ほんとまち編集室」のメンバーによって共同で運営されている。このスペースの特徴の一つとして「ほんの団地」という大きな本棚がある。この本棚には、一つのテーマに沿った「ほんとまち編集室」のメンバーそれぞれの選書が並んでいる。

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