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【インタビュー】線で象る感情|フォトイラスト作家 あさみ

2021 11/06
VOL. 飾る インタビュー
イラスト インスタグラマー 写真
2021年11月6日
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多くの人がカメラ機能付きスマートフォンを持つ現在、写真や動画はかつての記録媒体としての役割を超えて、人々の日常を映し出し、SNS などにおいても欠かせない存在となった。しかし人々が撮影に使用するのはスマホのカメラ機能だけではない。多くのカメラアプリは、色味調整や美容補正を可能にする加工機能を有している。この機能を通じて、写真や動画は撮る人が映したいイメージを実現する。つまり、人々は写真や動画を大なり小なり飾っているのだといえるだろう。一般的に多くの人が使っているのは前述の加工機能だ。

しかしそこに囚われない飾り方によって、自身の表現したいものを写真に映し出す人々もいる。インスタグラマーとして活動していらっしゃるあさみさんは、主に写真に絵を描き込むことで作品を作り上げている。

我々の創造性の発展へ繋げるため、写真を飾ることへの意識や姿勢についてのお話を伺った。

あさみ:1986年生まれ、神奈川県在住。フォトイラスト作家。約10年前に、ブログで日常写真を載せ始める。2012年にはInstagramアカウントを開設し、2016年から写真にイラストを描く作品を制作し始めた。現在も、@asamarch21にて多重露光やイラストを用いて作品を制作し活動し続けている。

目次

感覚に委ねる

—— あさみさんはInstagramで主に活動されていますが、写真に絵を描いていらっしゃいますよね。それを始めたきっかけなど教えていただけますか。

写真に絵を描くきっかけになったのは、SNSでメヘンディアートというものを知った時です。

メヘンディアート、ヘナアートとも呼ばれるらしいですが、インドなどの地域で花嫁さんの手足にヘナペーストを使って絵を描いていくんです。

初めて見た時に面白いと感じて、この手に描いてあるものが写真にあったら良いかもしれないと何でか思って。

そのとき丁度余裕があったので、やってみようと思って描いたのがきっかけです。

でも絵が描けないんですよ、私。

—— 絵が描けないんですか。

そもそもドラえもんとかの絵が描けないんです。

絵が描けないといっても、実際に現実にあるものが描けないんです。空想のものを想像でしか描けなくて。

鳥を描いてみてって言われても、想像の鳥であれば描けますが、フクロウとかを描いてって言われるとすごく困るんですね。

フクロウは実際にいるので、それじゃなきゃだめじゃないですか。だから正解があるものは描けないんです。

それで、模様だったら描けるかもしれないと思って、描き始めました。

そうしたら周りからも面白いねって言ってもらえたし、自分でも描いていて楽しかったです。

はじめの一年ぐらいにいっぱい描きましたかね。沢山描いて、本当に楽しかったです。

でも私、完成図はわからないんです。

—— 詳しくお聞きしていいですか。

最初にこんなのを作りたいっていう考えがあまりないので、描き終わらないと何が描きあがるかがわからないんですね。

とりあえず手から線を出してみようと始めて、最終的に変な形になったりとか。

終わりはこれでいいかなと当時は思ったので、良いんだと思います。感覚ですが。

—— 感覚とおっしゃいましたが、自分なりのルールみたいなものがあって描かれたりしているために作品に統一感がでているのだと思いますが、そのような所に決まりはありますか。

多分、今のご質問にざっくり答えてしまうと、本当に感覚です。

言葉で言うのだったら、そこに絵があって、気持ちいいか気持ちよくないか。しっくりくるかこないかという感じです。

ここを足そうかなとかここで止めようかなというのは、例えば線ですね。

一に対して、一を足し続ける感じ。

写真に絵を描くときは写真が一になってくれるので、手から線を出そうとかそういうのが起点になって、そこからもう一本もう一本とバランスを見ながら足していきます。

最終的には、バランスを見てやめますね。はじめからここになにかを描こうとかは考えてないです。

はじめにお話ししたんですけど、絵を描く時とか、写真で多重を作る時とかって、何も考えていないんです。

考えるって、言葉にすることだと思うんです。

頭の中で思っている時や、今こうやってしゃべっていることも、言葉にしていることだと思うんです。

でも私は、自分の感情、感覚や状態とかを、言語にすることがあまり得意じゃないので、描くほうが楽だったりします。

普通、モヤモヤしたとかドキドキしたとか、感情が昂っているときに、人にお話ししたり一人で泣いたりすると、すごくすっきりするじゃないですか。

それと同じで、一枚描き上げました、一枚作り上げました、としたら、すごくすっきりするんです。

なので、しゃべることと同じなんですね、作ることが。

写真を撮ることは描くこととまた別なんですけど。撮ることは世の中に存在しているものを写すので。

例えば、モデルさんと衣装などを使って撮影をしましょうというのも勿論作り上げていく世界なんですけど、でもすでに存在しているものを使うじゃないですか。

それに対して、絵はそもそも存在してないですし、私の作品も、世の中に実在しないものなので、どちらも作ることなんですけど、それぞれ別なんです。

—— 会話のような、一種のコミュニケーションみたいなものですね。

自分と会話する気は無いんです。そういう言葉に入れてしまうと薄っぺらくなってしまうんです。

たいしたことしてるつもりはないので、そう言われると困ってしまう。だから、言葉にできないんですよ。

得意じゃない。

とりあえず線を描いて、また線を描き足していっている方が自分は何考えているんだろう、なんでこんな気持ちなんだろうって考えるよりも、ただスッキリするので、楽なのだと思います。

多分、そういうのってエネルギーが動いてるんだと思うんですよね。

溜まっているものを出すみたいな。

人によってはそれが運動だったりしますけど、それが私にとっては絵を描くことだったり、多重の写真を作ることだったりとかするんだろうと思います。

創作の原動力

—— 作品のモチーフの決め方はありますか。

絵を描くときの写真の決め方はあります。

絵はやっぱり細かい模様で埋めていくので、背景がすっきりしていないと線が映えないんです。

草むらに絵を描いたこともあるんですけど、草むらは一個一個が細かいので、絵を描いても目立たなくて。

海が一番きれいに映えましたね。

—— つまり、写真に絵を描く時は意識してシンプルな写真を選んでいるということですか。

写真に絵を描く時はそういうものを選んでいます。

でも、写真を撮る時はいろいろな写真を撮っています。

背景がごちゃごちゃしているものも、もちろん撮りますし、逆に空だけのものも撮っていて、写真に絵を描く時は、その撮ったものの中からどれに描こうかなと探す感じです。

ただ、撮るときの感覚と描く時の感覚が、すごく違うんです。描く時は、写真が一個の素材になる感じ。

撮る時は、宝物を集める感じなんですけど。

たまたま光がきれいだったとか、たまたまこの色彩がきれいだったとか、そういうのを一枚に撮らせてもらっています。

—— 創作活動するなかで、インスピレーションを受けるものはありますか。

絵を描こうと思っても描けないので、ピンタレストはよく見ます。

絵を描いてきたなかでいくつか引き出しはあって、ヘナアートや曼荼羅アートを見たり、あとは植物やペイズリー柄もわりと見ています。

ピンタレストを見て、「こういうの描いたら楽しいな」と思ったものを描いていきますね。

もう基本的に、「楽しいな」「ワクワクするな」で描いていて、インスピレーションはそのとき探すみたいな感じですね。

ピンタレスト以外では、本や道行く人の服の柄からインスピレーションを受けることもあります。

—— 楽しく、ワクワクした気持ちで絵を描くとおっしゃいましたが、反対に大変なことはありませんでしたか。

大変なことしかなかったです。

仕事が途中で変わって、そしたら仕事が面白くなってきまして。

仕事には体力も気力もいるのですが、作品を作る上でもエネルギーが必要になるので、自分の中にエネルギーがないと作品が作れなくなってしまうというのがすごく大変だなと思います。

でも最近は、ちょっとでもいいから作ることをやめたくなくて。やめてしまうとこの先も残らなくなってしまうから、それは嫌で。

ちょっとでもいいから描いていこう、たまにでもいいから描いていこうと思っています。

—— ある程度人に見せるもの、という風にはやっぱり自分の中では意識して描いている感じですか。

そうです。

描くこと自体は楽しいし、線を描くのは気持ち良くて、癒しだったり自分の発散だったりするけど、でもそれを結果作品として収めるんだったらちゃんと自分が良しとするラインまでは作らないと、後で見返した時にやっぱりこれ残念なんだよな、と思ってしまうので。

なんでここで辞めたんだろう、なんでこれを出したんだろうって後の自分が振り返った時に絶対思うし、自分手抜いたなって分かるけれど、作る時にそこで辞めてしまうとやっぱり出し直すことは出来ないので、気をつけるようにはしてますね。

—— 自分の中で、これで百点だって思える完成の基準はありますか。

百点と思ったことはないです。

—— 自分で良い、と思ったらそれはもう自分の中での完成ですか。

そうですそうです。

やっぱり自分で微妙だな、しっくり来ないなって思うんだったら何かが違うはずだし。

インスタでできた写真繋がりの友人が、すごくセンスのある人が多くて、その人たちに例えば見せたとして、これ恥ずかしくないかなとか、他にもたくさんセンスを持っている人にも恵まれているので、そういう風に考えてしまうことはあります。

ただその感覚に頼ると結局人の感覚に頼ることになるので振り回されちゃうから、やっぱり自分が良いと思ったら。

「足す」って楽しい

—— 絵を加える中で、写真そのものの良さを失わないような境界線はありますか。また絵を描きすぎてしまったなと思う基準はありますか。

ないですないです。描きすぎちゃったらもっと描きます。

—— もっと絵を活かそう、という感じですか。

多分、写真と絵をバラバラに考えていないんだと思うんです。

写真を活かすために絵を描いている訳でもなくて、絵を活かすために写真がある訳でもなくて、それでひとつなので。

あ、もちろん描いちゃいけないところはありますけど、最悪描きすぎてここ要らないなってなったら、デジタルになった時に消すってこともあるけど。

基本的にそれはしたくなくて、やっぱりズレちゃったって時はちょっと修正は入れるけど、描きすぎる基準はありますかっていう質問で、今悩んでるってことはあんまり普段考えてないんだと思うんですね。

—— 気持ちのまま描いて満足したところで止まるということですか。

そうですね。あ、でもある程度描きこんできたら全体はよく見ます。

全体をよく見て、バランス悪いかなって見て、「あ、ここがいるな」っていう最後の微調整はわーっと描く訳じゃなくて、ある程度まで描いては見て、描いては見て、描いては見て、ってしていると思うので。そう。

何を描こうって常に考えている状態なんですね。

常にどこに何を描こうって考え続けて描いているので、だから描きすぎちゃったってことがあんまりない。

そうですね、最初の完成図は考えてないですけど、次に描く線は常に考えながら描いているので、後になってやっぱり要らなかったってことがあんまり無いんじゃないですかね。

—— 作品が出来上がって、Instagramなどにあげてらっしゃると思うのですが、その完成した作品は自分にとってどういうものになりますか。また、手を加えた結果自分がどういうものを作りたいか、作ったかというのをどのように認識されていますか。

そうですね。写真を撮ることは世界が既にあって、その一部で宝探しを毎日しているみたいな、収集みたいな感覚なんですけど、作ることはないものを世の中に逆に出すことなんです。

撮った写真は世の中にあるものだけど、作ったものは自分の中にあるものです。

その違いは全然違うなって。貰ってるものと出したものみたいな、インプットとアウトプットなのかもですけど、結局のところ。

—— 結果的にそれは飾っているということですか。

飾っているって意識はないんですよ。飾るっていう単語が難しいな。

写真を修飾するという意味ではあってると思うので、写真という素材を修飾していることですよね。

だからやっている行為は飾ることなんだと思います。

ただ、自分の心象としてそんなにたいしたことしていないっていう。

飾るなんてそんなたいそうな気持ちでやっていないので。

—— 一般化すると飾るというカテゴリーではあるけれど、具体的に言うと飾っているというよりは感情とか経験を発露しているということですか。

そうですね、だから逆になんかそういう飾るっていう意識がない。

写真に加工をしたりとか付け加えたりということを普段しない人、そういう考え方をしたことがない人の場合、意外とやってみたら楽しいかもしれないし。

うーん、足すって楽しいと思うんです。

VOL. 飾る インタビュー
イラスト インスタグラマー 写真

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