世間にはびこる「おとなの〇〇」シリーズ

最近私は「おとなの〇〇」と書かれたものにことごとく弱い。「おとなのじゃがりこ」、「カントリーマアム -おとなのバニラ-」、「ブラックサンダー 大人のプレミアム」…

コンビニやスーパーでそう書かれたお菓子や飲み物のパッケージを見つけると、8割型お買い上げしてしまっている。

今や「おとなの〇〇」は食べ物だけに留まらない。「大人の塗り絵」、「おとなのお道具箱」、「ヤマハ大人の音楽レッスン」など文房具や雑貨、イベントに至るまで、あらゆる場面でこのフレーズは見受けられる。さらに大人がリカちゃん人形の服を着せ替えて遊ぶ、「(おとなの)リカ活」もあるんだとか。

図1: おとなのじゃがりこ Twitter宣伝イメージ
図2:ブラックサンダー~大人のプレミアム~ アルコールが含まれており、馴染みのあるあのブラックサンダーとは一線を画している

図3:大人のお道具箱    小学生のときに使用していたあのお道具箱とは少し形、模様を変え、普段のまたは趣味のグッズの収納に最適

先日はついに「大人のお子様ランチ」なるものまで見つけてしまった。「どっちなんだよ」とツッコミを入れつつも、実はこれは非常にありがたいことなのだと気づいた。なぜなら「おとなの」という言葉を免罪符にして、周りの視線を気にして注文するのを憚られていたが、(または年齢制限で頼めなかったが)実はまた食べてみたかったあの懐かしの味に、堂々とありつけるためである。

図4:大人のお子様ランチ  ナポリタンの入った見慣れたプレートのようだがなんとお酒を付けられる。あの小さいフラッグは…見当たらない

「おとなの〇〇」はあなたを救う

この「おとなの」がもたらす恩恵は先に挙げたお菓子やその他商品にも同様に当てはまる。

もしお店のじゃがりこやブラックサンダーの売り場の前で、一人の大人が真剣に悩みながら立ち尽くしていたらどうだろうか。「まだ舌がおこちゃまなのね、あの人」「いい年してまだスナック菓子なんて…」と周りから白い目を向けられるかもしれない。

ただの被害妄想、自意識過剰かもしれないが、周りの目を気にしてほんとはじっくり品定めして買いたいのに、「極力お菓子コーナーでの滞在時間は少なくしなければ」という心理が働き、思うように売り場を見れない、または売り場の前を「興味なんてちっともありませんよ」という顔をして颯爽と通過してしまうことはないだろうか。(一定数いることを信じたい)

そのような人たちにとっての救世主がこの「おとなの」シリーズなのである。これによって「私は子供じみた菓子を選んでいるのではない、おとな向けのリッチテイストを選んでいるのだ」と堂々と菓子コーナーに君臨できるのである。(そして普段は落ち着いて見られなかった非大人シリーズにも目を向けられる)

「おとなの〇〇」の注目ポイント

そして「おとな」シリーズはなんてったって、味のチョイスが素晴らしい。「おとなのじゃがりこ」では麻辣ガーリック味、マスタードベーコンなどお酒に合うこと間違いなし。「おとなのきのこの山」ではカカオの含有率がアップし、ほろ苦い味わいが楽しめる。

またパッケージの違いもとても興味深い。定番の「じゃがりこ」にはおなじみの「キリン」、「きのこの山」には日本昔話に出てきそうなほっこりとする田園風景、また楽し気なたぬきやうさぎが描かれている。ところが「おとな」シリーズでは例のキリンもたぬきも忽然と姿を消している。黒ベースのシックな色調で、味のイメージをこれでもかと伝えるような鮮明な食材の写真、そして「おとなの」の文字がゴールドに輝いている。フォントはだいたいスタイリッシュなもの、または「大人のじゃがりこ」のように筆で書いたような味わい深く迫力のあるものも…。

図5:きのこの山 パッケージの比較  (きのこ派なので、今回はきのこの山の例をご紹介)

私はこの味やデザインの高級感、贅沢感にやられて、少々高くても気にせずカゴに入れ、またそのプレミアム感から、「自分へのご褒美」という名目でドシドシ買ってしまうのである。(そういえばプレミアムフライデーってありましたね。)

そして知らぬ間にそのとなりにある定番シリーズも一緒にカゴに入っていたりする。

ありがとう、おとなの〇〇

いろいろと語ってきたが、「おとなの」シリーズの最大の魅力はその味、パッケージデザインもさることながら、やはり「世間がつけたイメージに悩み苦しむ「おとな」たちが堂々と対抗出来る免罪符的存在」であることだろう。

「駄菓子は子供が楽しむもの」「塗り絵は子供の遊び」そのような世間が勝手に抱いたイメージによって、本当にやりたいことから目を背けてきた「おとな」たちが、「おとなの〇〇」のブランディングによって人目を気にせず、年齢に関係なく堂々と好きなものを好きでいられるようになっているのではないだろうか。

私はこれからも「おとなの」シリーズ新製品を探すべく(そして横目で定番シリーズもチェックすべく)定期的にお菓子コーナーへ通い続けるつもりだ。

ところで、そもそも「おとな」ってなんなんだろう。

まあとりあえず、「おとな」万歳!!!

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