先日の12月10日、箱根駅伝に出場する20大学と関東学生連合の16人のエントリーメンバーが発表された。
それを基に、この記事では順位予想の考察を中心に話していきたい。
※この記事は、後編となります。事前に「箱根駅伝を骨の髄まで楽しむには!?」を読むことで、よりお楽しみいただけます。
予想の範囲に関しては、往路は上位5位まで、総合順位はシード権を獲得出来る10位までに設定した。
ずばり予想はこれだ!
往路 順位予想
1位 東京国際大学
2位 青山学院大学
3位 順天堂大学
4位 國學院大學
5位 駒澤大学
総合 順位予想
1位 青山学院大学
2位 駒澤大学
3位 順天堂大学
4位 東京国際大学
5位 明治大學
6位 國學院大學
7位 早稲田大学
8位 創価大学
9位 東洋大学
10位 中央大学
Ⅲ 往路・復路の展望
前回大会は、大穴の創価大学が鮮やかに往路優勝を掻っ攫ったが、今大会はどの大学が往路優勝に輝くのか?
また、最終区での大逆転劇も話題となったが、今大会も復路での逆転が起こるのか?
ここ数年、箱根駅伝は「戦国駅伝」と称され、各大学の戦力が拮抗している。
そんな中で、順位予想を当てるというのは至難の業だが、私なりの考察をしていきたい。
まず、往路優勝候補の大本命は東京国際大学だろう。
先日のトークバトルにて大志田監督がおっしゃっていた
「力のある選手を前半に」
というコメントを言葉通りに受け取れば、間違いなくイェゴン・ヴィンセントと丹所健のWエースは往路に配置されるだろう。
また、山谷昌也や宗像聖、白井勇佑といった実力者も惜しみなく往路に使うことが出来れば、
破壊力満点の陣容が揃いそうだ。
しかし主役は彼らだけではない。
往路優勝を虎視眈々と狙っているのは、
総合優勝の筆頭候補でもある
駒澤大学と青山学院大学だ。
選手層だけで見れば彼らが他の追随を許さない圧倒的なスカッドを揃えている。
つまり、全区間に質の良い選手を配置出来ることから、
総合優勝は勿論、往路優勝も狙える存在なのだ。
しかし、こと往路の5区間にベストメンバーを配置して比べると、やはり東京国際大学の破壊力が頭一つ抜けている。
駒澤大学と青山学院大学は、一位を追える位置で往路をまとめて、復路で逆転する形が理想的だろう。
また、順天堂大学と國學院大學も往路優勝は十分に狙える戦力を揃えることが出来た。
順天堂大学はオリンピアン三浦龍司という絶対的エースに加え、
野村優作、伊豫田達弥、四釜峻佑の三年生トリオも実力は折り紙付き。
四年生は牧瀬圭斗、津田将希ら経験豊富なメンバーが脇を固め、
一年生も山下り候補として期待される服部壮馬、海老澤健伸らが構える充実の内容。
秋の全日本でも総合力で3位を勝ち取り、チームの雰囲気も上向きだ。
順当に力のある選手がコンディションを整えられれば往路優勝、さらには総合優勝も夢ではない。
國學院大學も2年前に箱根路で往路2位、総合3位を成し遂げたときに匹敵する豪華なメンバーを揃えてきた。
4年生と1年生の選手層、質は共に出場全大学中最高レベル。
中間の2、3年生がやや手薄なのは気がかりだが、2年前に往路優勝を掲げて2位だった悔しさを知る4年生がまとめてきたチームは強い。
全日本では、最終区で伊地知賢造が魂の走りを見せ4位入賞を果たし、箱根に向けて火もついただろう。
後は、昨年から國學院大學のWエースとして引っ張って来た藤木宏太、中西大翔が完全復活を遂げれば、自信を持って他大学と勝負出来るはずだ。
さて、ここまで往路上位が予想されるチームの戦力分析を行ってきたが、総合順位に目を向けると、明治大学、早稲田大学、創価大学は上位に食い込んでくる可能性が高いと予想する。
明治大学は、言わずもがな予選会を圧倒的な総合力で1位通過したが、本来は優勝争いに加わらなければならないチーム。
前回大会の悔しいシード落ちを知る今の4年生が一年間作り上げたチームは、間違いなくよりタフなスピリットを持っているはずだ。
箱根経験者も多くいるため、一区から良い流れに乗れれば、常に上位でレースを進めることが出来るだろう。
早稲田大学は、いよいよWエースの中谷雄飛と太田直希が最上級生となり箱根路に臨む。
トラックでのタイムがなかなか駅伝に活かされないのがここ近年での早稲田大学の大きな課題だが、果たして今大会はその実力を出し切れるか。
往路に有力選手を固めれば往路での好順位も想定されるが、前回大会同様、山登りでブレーキしてしまうと厳しい。
選手層としては他大学に比べ薄いことからも、全選手がコンディションを整え万全の状態でスタートラインに立てるかが勝負の鍵となりそうだ。
創価大学は、前回大会の準優勝の印象が強いが、今大会は前回に比べて苦戦を強いられるだろう。
前回の準優勝の最大の要因は他大学の度重なるブレーキと悪条件の気候だった。
意地悪な言い方をすれば、棚からぼた餅で転がって来た準優勝とも捉えられる。
もちろん、そこにつけ入るだけの戦力が充実していたことは間違いないが、エントリーメンバーの選手層を見ても前回と同じ青写真を描くのはやや難か。
嶋津雄大とフィリップ・ムルワを中心に安定した走りで上位を狙い、あわよくば往路優勝を狙うというレースプランがベターに思われる。
そして、今年はシード権争いが前回以上に熾烈なものになりそうだ。
順位予想では、東洋大学と中央大学がシード権を獲得することになっているが、その他に、帝京大学、東海大学、法政大学といった有力校も間違いなくシード権争いに加わってくる。
以前に比べて各大学の戦力が拮抗してきた分、天国と地獄の境目となるシード権争いは毎年激化しているのだ。
このことは、選手や監督にとってはより厳しい時代となっていく一方で、駅伝ファンにとってはハラハラするレース展開が期待でき嬉しいことでもある。
ここまで、自分の順位予想について考察してきたがいかがだっただろうか?
箱根を今まで見ていた人はもちろん、これまであまり触れてこなかった人でも、ぜひ一度簡単に順位予想をしてみて欲しい。
きっと今までと違った箱根になり、もっと箱根を好きになるきっかけとなるはずだ。
新年の幕開けとともに、ぜひみんなで箱根を楽しみましょう!